

カウンセリングの方法シリーズですね。
それぞれの心理療法には特徴と、狙いがあります。
最終的な目標は、クライアントの苦痛を軽減し、より自分自身の望む人生を生きていただくこと、これは共通です。
この共通の目標にたどり着くために、重視することや道筋が微妙に異なります。
今回ご紹介するのはソリューション・フォーカスド・アプローチ(以下、SFA)です。
日本語訳で解決志向アプローチと呼ばれています。
日本語になるとなんとなくイメージがしやすくなりますね。
この記事ではSFAのコンセプトや重要視している概念、アプローチの方法をご紹介します。
1.SFAのコンセプト
SFAは、問題の早期解決を重視するアプローチです。
深層心理の追求や、深く自分を理解する要素を意図的に弱めて、その分、実際の問題解決にエネルギーや時間を割きます。
ブリーフセラピーという言葉もありますが、こちらは短期療法と訳され短時間で効率的に問題解決を目指すカウンセリング方法です。
あれ?コンセプト似てない?とお思いになるかもしれません。
それもそのはず、SFAはブリーフセラピーという大きな枠組みの中に含まれる、代表的なモデルだからです。


SFAは、カウンセリングの特徴であり、かつ弱点とも言える即効性の無さをカバーすることができる、優れたアプローチ方法と言えます。
原因を究明することよりも、解決への具体的な取り組みや、すでにうまくいっている部分をより強化することに力を注ぎます。
- SFAはブリーフセラピーの一つ
- SFAは原因追及にこだわらず、早期の問題解決を図る
2.例外を探して解決の糸口をつかむ
SFAの特徴的な概念として、“例外探し”が挙げられます。
困っているとき、苦しいときは、問題となっている事柄や自分の弱点を改善することに一生懸命になりすぎることがあります。
しかし、問題になっている状況ばかりに目を向けていると、本当は起こっている嬉しい出来事や、自分自身の強みを見失ってしまいます。
そこで敢えて、現状における“例外”、つまり問題がない状態や自分の強みが発揮されている状況に目を向けます。
今は“例外”になっている状態・状況を、増やすことで、その状態・状況を“普通”にできたら、今まで困っていた日常を違った状態にすることができます。
SFAでは、例外に着目することで、特別良い状態を普通の状態にすることを目指します。
- 困っているときは良い出来事、自分の強みを見失いがち
- “例外”を見つけて増やすことで、“普通”に変える
3.二つの特徴的な質問方法
SFAで特徴的と言われる質問が二つあります。
- ミラクル・クエスチョン
- スケーリング・クエスチョン
どちらも聞きなれないワードかと思いますが、いずれもSFAのコンセプトを実現するための大切なプロセスを担います。
『もしも奇跡が起きて今ある問題が全て解決したら、どんな生活を歩みたいですか?』
最も原型に近い問いかけがこのような質問です。
上記の質問はあくまでも原型であり、そのままそっくり使用されることは珍しいです。
“奇跡”なんて聞くと、「怪しげ…」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも決して怪しいものではございません(余計に怪しい)。
少し説明をします。
これは、問題状況や苦痛と長時間向き合い、膠着状態になっているこころに対して、刺激を加えることが目的です。
また、「今の状態は嫌だけど、どうしたいか、どうしたらいいか分からない…」という方にも有効です。


解決後を考えることで、未来志向・解決志向が促され、また自分が何を望んでいるのかが見えやすくなるんだ
何かを変えるとき、上達させるときに重要なプロセスとして、“目標を定める”というステップがあります。
- どこに向かっていくのか
- なにを実現させるのか
これらをイメージしながら取り組むことで、人間の成長は確実に早まります。
ミラクル・クエスチョンはこの“目標を定める”ステップを強力に手助けしてくれる手段と言えます。
自分ではなかなか前向きな思考が難しいと感じていらっしゃる方も、我々カウンセラーが丁寧にガイドをしますので、質問に対して自由に反応してください。
- 『今の調子は10点中の何点くらいですか?』
- 『前回決めた課題の現状が3点だと思われるとしたら、3.2点にするにはどんな工夫や心がけが考えられますか』
このように、普段は感覚的に捉えていることを数値化して言葉にします。
スケーリングとは、スケール=物差し、のことを意味しています。
メタ認知力の向上
自分の状態を数値化することで、メタ認知という自分自身を客観視する力が発揮されます。
このメタ認知が上手になると、自分の状態をより正確に把握することができ、より的確に対処することができるようになります。
他者との共有しやすさ
スケーリングを使うことで、伝えることが難しい体調や手応えなど、感覚的なものを他者と共有しやすくなります。
これにより、カウンセラーとのコミュニケーションがよりスムーズ、正確になることも一つの効能と言えます。
成長を実感しやすくなる
自分の成長や進歩のプロセスが分かりやすくなる点でも効果的です。
成長を実感できると嬉しくなって、もっともっとという欲がでます。
停滞を痛感すると、身が引き締まります。
どちらも、自分自身を解決に導いていくためのエネルギー源です。
我々カウンセラーも一緒に向き合っていきます。
時には、向き合うことが辛いときもありますが、この“辛い”と思うこと自体が、現状を変える一番のエネルギーかもしれませんね。
- ミラクル・クエスチョンで戦略的に前向きさを引き出す
- スケーリング・クエスチョンで自分自身をメタりやすくなる
4.結びに
いかがでしたか。
SFAについてのイメージを膨らめていただけたでしょうか。
カウンセリングの方法は様々で、コンセプトも色々です。
しかし、我々カウンセラーが一番重要だと考えていることの一つは、クライアント自身がカウンセリングに対して意味を感じられているかどうかです。
「あー今日もカウンセリングを受けて良かった」
「これを続けたら少しずつ良くなっていく気がする」
こう思えるだけでも、あなたの状態・状況はより善いものへと変わっていきます。
我々うぇるむすびのカウンセラーは、カウンセリングの方法にこだわりません。
クライアントさんの「良かった」のために、カウンセリングの形をアレンジしていきます。
一緒にあなたのペースで取り組んでいきましょう。










