【臨床心理士が解説】心理検査の落とし穴とは!?

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世の中には本当にたくさんの心理テストがあります。

実際の現場で使われている心理テストについて記事がありますので、そちらも是非!

大変にためになり、また楽しい心理テスト

しかし、実は心理テストには落とし穴があります。

今回は、心理テストと向き合う際の注意点を紹介します。

こんな人に読んで欲しい

  • 「げっ!私ったらこんな人なの?」とテスト結果にショックを受けた人
  • なんでもMBTI診断で決めてしまいそうになる人
  • 自分の可能性を信じたい人
目次

1.心理テストの落とし穴

一番の落とし穴は面白過ぎるということかもしれません。

そのため、あまり正確ではない、理論的な根拠の薄いものも多く世に出回ってしまいました。

さらに落とし穴はテストの側だけにあるわけではありません。

答える側にも落とし穴は存在しています。

落とし穴を理解して、より効果的に、より安全に心理テストを活用しましょう!

こんな風に感じるかもしれませんが、実はけっこう怪しいものも多いです。

我々が騙されてしまう二つの心理効果をご紹介します。

権威効果(バイアス)

専門家・有名人・地位や肩書のある人の意見や情報は信じやすくなる効果

例:「〇〇監修!」と書いてあるとその人がだれか知らなくてもなんとなく安心する

バーナム効果

実は誰にでも当てはまることだが、自分自身を表しているように感じる効果

例:自分の興味がないことにはだらしがないが、興味のあることにはこだわってしまう

さて、ドキッとした人もいるでしょうか。

たとえば、インスタグラマーや芸能人、Youtuberが紹介していた心理テストは信じやすくなります(権威効果)。

そして、テスト結果が長い文章だったりすると、自分に当てはまる部分も、実は当てはまっていない部分もどちらも当てはまっているように感じる(バーナム効果)。

なので、その心理テストが本当に信用できるものなのか、判断することは実はとっても難しかったりします。

もちろん、病院で行われている心理検査や我々が扱う心理検査は、理論的な背景、統計的な研究を重ねていますので、一定の信ぴょう性が担保されています。

  • 知られている心理テストは全部が全部信頼できるものではない
  • 権威効果とバーナム効果に騙されないで!

3.落とし穴②:それって真実のあなたを測れてる?

さてさて、次の落とし穴はテスト側の問題ではなく、回答する我々人間側の問題です。

心理テストに答えているときに思ったことはありませんか?

「こう答えたら良い感じになりそうだな」

「ほほう、つまりそういうことを測ってるんだな」

世に出回っている心理テストの多くは、質問文に対して【「はい」、「いいえ」】や【「とても当てはまる」-「全くあてはまらない」】などから選んで答える形です。

この方式だと、答えている間になんとな~く結果が分かってしまいます。

ひとは誰しもが「こんな自分でいたい」、「こんな風に見られたい」と願っています。

そのせいで、心理テストへの回答は真実のあなたを映し出すだけでなく、願望や理想像が混ざりこんでしまいます。

何度も同じ心理テストに答えていると、結果が変わってくることがあります。

これは、答える人が本質的に変わったのではなく、答え方が変わっただけかもしれません。

もしかしたら、こんな結果だったら嬉しい!なんて気持ちが入り込んでいるかも?

ちょっと怖いですね。

  • 心理テストの回答には願望や理想が混ざりこむ
  • 短時間で結果が変わったときは要注意!

最後に一番大事な落とし穴の話です。

心理テストに興味を持つときは自分のことを知りたいとき!ですよね。

でも、「自分ってこんな人」と決めつけてしまうと、自分の未来の成長機会や、まだ知らない一面が発揮されることを邪魔してしまうこともあります。

たとえば、あるテストで『自分はひとから嫌われやすいタイプだ』、なんて結果が出たとします。

こんな結果が出たら、ひとと関わることが少し怖くなりますよね。

そうすると、ひととの関わりを避けたり、人前に出る機会を避けたりしてしまうかもしれません。

もしかしたら仲良くなれた人との関係、挑戦することで得られたはずの経験など、もともとあった可能性が閉じられてしまいます。

覚えておいていただきたいのは、信頼のおける心理検査だったとしても、得られるデータはあなたのごくごく一部であること、そしてあくまで“いま、現在”のあなたのデータに過ぎないということです。

ひとは成長し、変わっていく生き物なので、心理テスト、検査の結果に縛られていると自分自身を見失ってしまいます。

結果を使いこなして良き心理テストライフを送ってください。

  • テストの結果はあなたの全てではない
  • 心理テストに振り回されずに乗りこなすことが大事

今回の記事はいかがだったでしょうか。

自分のことを知りたいときに心理検査は役に立ちますが、こういった落とし穴に気を付けると、より正確な自分自身を見つけることができます。

私たちが使う心理検査は一定の信ぴょう性が担保されていますし、各検査ごとの限界もお伝えしながら、一緒に自己理解を深めることもできます。

いつでもお気軽に私たちにお問合せ&ご利用ください。

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この記事を書いた人

心太のアバター 心太 臨床心理士・公認心理師

臨床経験10年(2025年時点)
小学生から大学生までの教育相談、精神科クリニックでの心身の相談まで多岐にわたる現場を経験。
専門領域:認知行動療法、ブリーフセラピー、カップルカウンセリング、心理検査
趣味:バスケなど運動全般、パソコン

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