

繰り返される生きづらさの正体・・・
- 「いつも同じような対人関係で失敗してしまう」
- 「どれだけ成果を出しても、心の底では自分に価値がないと感じてしまう」
こうした、根深く繰り返される生きづらさに悩んだことはありませんか。
カウンセリングには、症状や問題となる行動を変えるだけでなく、こころの土台にある「思考と感情のパターン」に働きかけるアプローチがあります。



その中心にある概念が「スキーマ」です
カウンセリングを検討されている方の中には、「自分の性格はもう変えられないのではないか」と諦めかけている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、生きづらさの正体が、かつて自分を守るために作られた「人生のルール」であると理解できれば、そこから抜け出す道筋が見えてきます。
本記事では、スキーマという専門的な視点から、心が自由を取り戻すプロセスを解説します。
1.スキーマとは何か:心に深く根ざした人生の「ルール」
スキーマとは、私たちが自分自身や他者、そして世界を理解するために用いる「ルール」のことです。
私たちはこの「ルール」を通して世界を解釈しているため、その存在に自分ではなかなか気づけません。
たとえば、
- 「自分は無能である」というスキーマ(ルール)を持っている人がいます。
-
その場合、仕事で成功しても「運が良かっただけだ」と解釈し、逆に小さなミスをすると「やはり自分は無能だ」と、そのルールを強化するように出来事を捉えてしまいます。
- 「自分は人から嫌われる」というスキーマ(ルール)を持っている人がいます。
-
その場合、相手が少し顔をしかめるだけでも「自分が何か気に障ることを言ってしまったんだ」と解釈したり、褒められると逆に「この評価をキープしないと見捨てられてしまう」と考えてしまったりします。
このように、事実に歪みを生じさせてまでも自分の中のルールを維持しようとする心の働きが、長引く苦しみの原因となっているのです。
- スキーマとは誰しもが持っているmyルール
- スキーマは無意識に適用され自分で気付くのは難しい
- スキーマを過度に守ることで苦しみにつながる
2.なぜ、苦しいルールが作られたのか
心理学において、特に生きづらさに直結するものは「早期不適応的スキーマ」と呼ばれます。
これらは多くの場合、幼少期から青年期にかけて、家族や周囲との関わりの中でつくられます。
重要なのは、これらのルールは決して「あなたが悪くてできたもの」ではないという点です。
例)
- 厳格すぎる家庭で否定されないために「完璧でなければならない」というルールが必要だった。
- 孤独な環境を生き抜くために「人は信頼できない」と自分に言い聞かせる必要があった。
つまり、スキーマはかつてのあなたにとって、過酷な環境を生き抜くための「切実な守りの型」だったのです。
しかし、大人になり環境が変わっても、当時のルールのまま世界に対応しようとすることで、現在の生活に不具合(不適応)が生じてしまいます。
- スキーマ自体は悪いものではない
- 自分を護るために作られるもの
- 状況や環境が変わったらルールも変える
3.スキーマが維持される仕組みと「回避」
スキーマは非常に強固で、自分一人で変えることが難しいのには理由があります。



それは、スキーマが脅かされるような状況を、私たちが無意識に「回避」してしまうからです
たとえば、「人は自分を拒絶する」というルールを持っている人は、他人と深く関わることを避けます。
関わらなければ拒絶される痛みを感じずに済みますが、同時に「人は自分を受け入れてくれる」という新しい体験をする機会も失われます。
結果として、古いルールは更新されないまま心に残り続けることになります。
また、わざとルールに沿った行動をとって自爆してしまったり、逆に過剰に振る舞って本心を隠したりすることもあります。
これらはすべて、自分を守るための防衛反応なのですが、皮肉にもそれによってルールが残ってしまい、苦しみが長引いてしまうのです。
- スキーマによって避けているものがある
- 嫌だと思っている状況を自分が作ってしまうこともある
4.専門家と共に取り組む「ルールの書き換え」
臨床心理士や公認心理師とのカウンセリングでは、この強固なスキーマに対して、多角的なアプローチを行います。
- まず行うのは、あなたの日常生活の背後でどの「ルール」が発動しているのかを言語化し、特定することです。これは「セルフ・モニタリング」と呼ばれ、自分の反応を客観的に眺めるための重要な第一歩です。
- そのルールが今のあなたにとって本当に妥当なものなのかを、実際の出来事(証拠)に基づいて検証していきます。
- さらに、カウンセリングという「否定されない安全な関係性」の中で、これまで避けてきた新しい感情や行動を試していきます。
この体験の積み重ねを通して、新しいルールを作り上げていきます。
古いルールを完全に消し去ることは難しいかもしれません。
しかし、新しい柔軟なルールを隣に作り、そちらを選べるようになることで、人生の自由度は劇的に高まります。
- まずは自分のスキーマを確認する
- スキーマを護るか変えるかは自分が決める
- 新しいルールで人生を自由にする
5.結び:新しいレンズで、世界を見つめ直す
自分を縛り続けてきた「人生のルール」に気づき、それを手放していく過程は、時に痛みを伴うかもしれません。
だからこそ、専門的な訓練を受けた臨床心理士・公認心理師というパートナーが、一緒にその過程に取り組んでいきます。
カウンセリングは、あなたが最も自分らしくいられる場所から、この深い自己探求を始めることができる手段です。
「いつも同じ苦しみから抜け出せない」と感じているなら、それはあなたのルールをアップデートする時期が来ているというサインかもしれません。
私たちが、あなたの新しい人生のルール作りをサポートいたします。

